こんにちは、シルバームーン彫金工房、大塚です。
工房の道具を紹介しているこのシリーズ、さすがにもう紹介し尽くしたと思っていましたが、まだ幾つかありました。今回はリューターを紹介します。
リューターというのは元々は商品名らしいのですが、一般的にこの工具のことをこう呼んでいます。サランラップやホッチキスなどと同じですね。
見た目通り、歯医者さんで歯を削る道具とほぼ一緒のものです。本体とハンドピースという二つの部分から成るもので、本体部分にはスイッチがあり、電源を入れたり、切ったりとか、回転数の調節ができます。
先端にいろいろな工具をセットして回転させることで、磨いたり、削ったり、穴をあけたりと、取り付ける工具を変えて、それに合わせた回転数で使うことで、全く違う工具のような働きをしてくれます。
先端につける工具は、すごくたくさんの種類があるうえに、自分で加工して独自なものを作ったりもしますので、実にいろいろな用途に使うことができます。先端工具を見てみましょう。
スチールバー
鉄製の工具で地金をゴリゴリ削るためのものです。いろいろな削り方が必要になるので、形もそれに合わせて沢山の形があります。
丸いもの、棒状のもの、ソロバン型のもの、などなど。
そして、それぞれ大きさのバリエーションもあるので、かなりの数になります。
下の写真は石座になる部分を削っているところ。
シリコンポイント
シリコンでできた、地金を磨くためのものです。これも形や目の荒さ、大きさといった多くのバリエーションがあるのですが、自分で使うのは何種類かの決まったものなので、それほどたくさんの種類を用意しているわけではないんです。
ただ、たまに特殊な作業が必要のなる時には用途に合わせたものを買い足したりするので、結局溜まっていってしまうんですけど。
ドリル
地金に穴をあけるためのものです。手作業でもできますが、リューターにつけたドリルの方が作業が早いので場合によっては使ったりします。
これは形は一種類ですが、径の太さはいろいろあります。
写真はプレート型のペンダントにバチカンを通す穴を開けているところ。
この他にももっとたくさんの種類がありますが、基本的には「削る、磨く、穴をあける」という用途で使うことがほとんどです。
そんな便利なリューターですが、実はこれが無いと絶対にできない工程がある、とは言えない工具なのです。時間はかかりますが、手作業で同じようにできないことは無いんですよ。
ただし、日常的にリューターを使っているので、やっぱり無いと困るでしょうね。手作業でもできるとはいえスピードが違うし、精密な細かい作業も手や目に負担がかかりません。
お客様の前でリューターの作業をすると、歯医者さんを連想して辛い、という方もいらっしゃいます。確かに作業中の音はかなり近いものがあります。(逆に、以前店長(嫁)が久しぶりに歯医者にかかったとき「慣れた音だったから思ったより怖くなかった!」と言っていました)
ぜひ店頭で作業音を聞いてみて下さい。歯医者さん嫌いが克服できるかも?
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