一点物のブラックオパールで指輪を作りました。


当店を気に入って頂いて、よく来て頂いているY様。
今回は一点物のブラックオの指輪をご注文頂きました。

ただ、ここに至るまで若干の紆余曲折がありました。良かったらお付き合い下さい。
経緯をおってみたいと思います。

 

実ははじめ、店頭に出していた一点物のブラックの指輪を気に入って頂いて、その指輪のサイズを直してお買い上げ頂くということでした。その石は緑色の蛍光色が強くでた美しく独特なものでした。

ところがなんとこちらの不注意もあって加工の途中でその指輪の石が割れてしまったのです。
こちらもショックでしたがお客様はもっとショックだったでしょう。
その石を気に入ってお買い上げ頂いているのに、それを破損させてしまったのですから。

事情を説明して、一点物の石なので全く同じものはないのですが、同じような感じの石をいくつかそろえて、その中から気に入った石を選んで頂く、というのはいかがでしょうか?と提案したところ、こころよく了承して下さったY様!
ありがとうございます。こちらの不注意からの出来事だったにもかかわらず。

 

そして数個のブラックオパールをご覧頂いて、今回の石に決まりました。

最初の石もきれいでしたが、この石もまた独特な美しさと雰囲気を放っています。
色は前の石と同じような緑色の蛍光色も入っていますが、それ以上に印象的なのがほぼ全体を覆っている深い紺色です。
その濃紺の上に緑色の蛍光色が部分的に入っています。
まるで深い紺色の夜空にオーロラがきらめいているかのような石でした。

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Y様に気に入って頂いてこの石ですが、僕もとても気に入りました。
こういう経緯でなければ自分用に買っていたかもしれません。
それほど魅力的な石でした。

 

石の破損という事故から始まった一連の出来事でしたが、裸石の状態からお客様にお選び頂いて一点物をおつくりするという、お客様にも楽しんで頂ける機会を作れて、不幸中の幸いだったと思いました。

なんて言うと手前味噌ですが。
なんにせよ喜んで頂いてこちらも嬉しかったです。
Y様改めてありがとうございました。永く身につけて楽しんで頂けると幸いです。

 

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フォロー 大塚 貴:

1967年 東京生まれ神奈川育ち。 シルバームーン彫金工房のオーナーであり、デザインから制作の仕上げまでをすべてひとりで手がける職人でもあります。

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