純銀の腕輪作り編


純銀の腕輪、作り編です。

ホームページを見て当店を知って下さった方にオーダーを頂いて、特注品として純銀で腕輪を作りました。

特注品のご注文を頂くことも珍しくはないのですが、ネットショップからのご注文で打ち合わせはメールのみ、というケースは初めてでした。
その点少し不安だったのですが、ご希望されているものがとてもシンプルなものでサイズなども細かく指定して下さったので、結果的に何も問題ありませんでした。

実際お作りするのは丸い線の地金を輪っか状にした腕に通す形の腕輪です。
素材は今回、先方のご指定で純銀を使いました。
普段当店で使っているのは95%の銀、普通アクセサリーに使われているのは92.5%のものです。

なぜ純度を落としたものを使うかというと、やわらかすぎて細かいアクセサリーには向かないからなのです。
曲がってしまう事とか傷がつきやすい事などが、少し純度を落とすことで地金は硬くなるので解消されるのです。
他にも純銀だとやや磨きにくいとか、鋳造がやりにくいなどの欠点もありますね。

ただ今回は普段作っているアクセサリーと比べるとだいぶ大柄なものなので、曲がってしまうこともまず無いと思うし、またある程度硬くしめるための工程を入れましたので、その辺の問題はありませんでした。

銀線の直径は5mmと少し太いものですが、今回は純銀を使ったので素材は軟らかく曲げる加工はやりやすかったです。
普段使っている95%の銀とは全く違う金属に思える程なんですよ。

作り方としてはまず、線を 丸く環状の形にして、両端をロウ付けしてつなぎます。
その後バングル用のあて金という工具にあてて、そわせる様に全体を叩いて真円にしていきます。

形ができたら磨いてピカピカに光らせます。
純銀の方が普段使っている銀よりも少し磨きづらいので、手作業で全体をていねいに磨いていきます。

そして出来上がりました。やはり純銀はきれいですね。光沢感と色が違います。
このボリューム感はアクセサリーというよりも工芸品に近いかもしれません。
実際、伝統工芸の彫金だと純銀を使いますね。
20131001-000609.jpg
今回オーダーしていただいたのは、二胡の演奏者の方です。演奏に少しでも彩りを添えられるものであればと思い、心を込めて作りました。

王様、大切なものを作らせて頂いてありがとうございました。大変光栄に思います。
永くご愛用頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

フォロー 大塚 貴:

1967年 東京生まれ神奈川育ち。 シルバームーン彫金工房のオーナーであり、デザインから制作の仕上げまでをすべてひとりで手がける職人でもあります。

コメントを残す