今回紹介するのはガスバーナーという道具です。
ガスで火をつけて圧縮した空気を送ることで、火に勢いと方向性をあたえます。
これで地金を熱して接合したり、なましたり、溶かしたりします。
うちでは二つの種類のバーナーを使います。
普通のガスバーナーと酸素バーナーというものです。
酸素バーナーとは空気の代わりに酸素を送ることで、より高い温度が得られるバーナーです。
プラチナなど融点の高い金属の接合や、サイズ直しのときにも使います。
金属の接合はロウ付けという技術を使います。
ロウ付けとは例えば銀の場合なら、銀ロウという普通の銀よりも融点の低い銀の合金を熱して、地金の溶ける前にロウを溶かして、地金同士を接合することです。
なましとは硬化した金属を、バーナーを使って熱することでやわらかくすることです。
金属は加工硬化といって、加工の過程で力が加わると硬化する性質があります。
硬化した金属をやわらかくする必要のある場合にはバーナーで火をかけて、なますことになります。
金属の端材を再生するときには、溶かすことが必要になります。溶かした金属を型に流し込んで形にする他、型は使わずに玉状にした金属を叩いて延ばし使うこともあります。
このようにいろいろな用途があるので、工房にとってなくてはならないもので、一日使わないという事はほぼ無いたいせつな道具です。
冷やして銀の玉のできあがり。これを叩いて伸ばして形作ります。この状態では真っ黒ですが、磨けばシルバー色が綺麗に出てきます。
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